田舎暮らしで読書時間が増えた理由【実体験から考える5つのポイント】
「本を読みたいとは思っているけど、なかなか時間が取れない」——そんな悩み、ありませんか。40代に差しかかると、仕事・家庭・人づきあいと、やることは増える一方で、自分のための時間はどんどん削られていく感覚があります。私自身、以前はそうでした。ところが山間部へ移住してから、気づけば読書時間がじわじわと増えていて、今では週に数冊読み終えることも珍しくありません。この記事では、田舎暮らしで読書時間が増えた理由を、10年の実体験をもとに具体的にお伝えします。「田舎に引っ越さないと無理でしょ」と思わず、ご自身の生活に置き換えるヒントとして読んでいただければうれしいです。
① 「なんとなくスマホを見る時間」が減ったことに気づいた
移住当初、正直なところ不便さを感じる場面は多々ありました。コンビニまで車で20分、飲食店も選択肢が少ない。夜になると外に出る理由がほとんどない。最初は「暇だな」と感じていたくらいです。
ところが数か月たったころ、あることに気づきました。以前は帰宅後に「とりあえずスマホを開く」という習慣があり、気づくと1〜2時間が溶けていました。それが山間部の生活では、夜に外出する予定もなく、SNSで流れてくる情報も都市部ほど自分に刺さらなくなり、自然とスマホを手放す時間が増えていたのです。
何かを「増やそう」としたわけではなく、別の何かが「減った」結果として、読書に向かう時間が生まれた——これが正直なところです。意志の力より、環境の変化のほうがずっと大きく働きました。
② 外部の刺激が少ない分、「内側へ向かう」時間が増える
都市部の生活には、常に何かしらの刺激があります。街の看板、すれ違う人の会話、ショッピングモールのBGM。無意識のうちに脳が外側の情報を処理し続けている状態です。
山間部に移ると、その刺激量がぐっと減ります。最初は物足りなさを感じるかもしれませんが、慣れてくると「頭の中が静かになる」感覚があります。そして、その静けさのなかで本を開くと、以前より集中できることに気づきました。文章の内容が頭に入りやすく、読み終えたあとに「ちゃんと読んだ」という充実感が残る。これは移住前にはあまりなかった感覚です。
読書は「情報を受け取る行為」ですが、外部刺激が多い環境では、その情報がうまく定着しにくいのかもしれないと、今は感じています。
③ 通勤・移動の形が変わり、「隙間時間の使い方」が変わった
SEとして働いていた頃は、電車通勤が日常でした。その頃も「通勤中に本を読む」という習慣はあったのですが、満員電車のなかでは集中しにくく、どちらかというとスマホでニュースを流し読みするほうが多かったように思います。
移住後は車での移動が中心になりました。運転中はさすがに本は読めません。ただ、その代わりに「オーディオブック」や「Podcast」を試し始め、そこから紙の本への興味が再燃したという経緯があります。また、子どもの習い事の送迎で待機する時間が生まれ、そのまとまった「待ち時間」に読書をするようになりました。
隙間時間の「質と形」が変わると、読書との相性も変わる——これは移住に限らず、生活スタイルが変わるタイミングに意識しておくと良いことだと思います。
④ 「夜の選択肢」が少ないことが、意外とプラスに働く
移住後に一番実感したのが、夜の過ごし方の変化です。都市部にいると、仕事帰りに「飲みに行く」「映画を観に行く」「ショッピングする」など、さまざまな選択肢があります。それ自体は悪いことではないのですが、毎晩そうした外向きの過ごし方をしていると、家でゆっくりする時間がどうしても減ります。
山間部の夜は、外へ出る理由がほとんどありません。夕食のあとは家族と話すか、テレビを観るか、あるいは本を読むか。選択肢がシンプルになったことで、「じゃあ少し読もうか」という気持ちになりやすくなりました。
これはある意味「強制的に生まれたインドア時間」ですが、10年経った今は、この時間が生活の中でいちばん豊かな部分のひとつだと感じています。
⑤ 読書が「地域とつながるきっかけ」になることもある
これは少し意外な話かもしれませんが、田舎暮らしでは読書が地域コミュニティと接点を持つことがあります。たとえば、移住後しばらくして近所の方から「図書館の本のリサイクル市があるから来ない?」と声をかけてもらったことがありました。軽い気持ちで参加してみると、地元の方たちが「おすすめの本」を話題にしていて、その会話をきっかけに関係が深まったことがあります。
都市部にいたときは、読書はどちらかといえば「個人的な趣味」でした。それが田舎では、本を通じて人とつながる場面が意外に多い。読書量が増えたことで、話題の引き出しも増え、地域に溶け込む助けになってくれたと感じています。
「田舎は人づきあいが大変そう」というイメージを持つ方もいると思いますが、読書という共通の話題は、実は地域のなかでもじゅうぶん通用します。
まとめ
田舎暮らしで読書時間が増えた理由を振り返ると、「読もう」と決意したからではなく、生活環境が変わったことで、自然と本を手に取る時間が生まれた——というのが正直なところです。スマホを眺める時間が減り、外部刺激が静まり、夜の選択肢がシンプルになった。そうした変化の積み重ねが、読書習慣を育ててくれました。
移住が選択肢にない方にとっても、「何かを減らすことで、読書のための余白が生まれる」という考え方は参考になるかもしれません。意志の力に頼るより、自分の環境を少し整えるほうが、習慣は続きやすいと、10年の経験から感じています。もし今の生活のなかで読書時間が取れないとしたら、「何が邪魔をしているか」を一度見直してみると、意外なヒントが見つかるかもしれません。





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