元SEが地方で仕事を見つけた方法【実体験からわかったこと】

「地方に移住したいけど、仕事はどうするんだろう」——この不安、すごくよくわかります。私自身、2015年に地元の山間部へUターン移住する直前まで、同じことをぐるぐると考えていました。当時30歳、職業はSE。IT系のスキルは持っていても、それが地方で通用するのかどうか、まったく見当がつかなかったんです。この記事では、元SEという立場から地方で仕事を探した経験をできるだけ正直に書いています。「地方での仕事の探し方」に迷っている方に、一つの参考事例として読んでもらえたら嬉しいです。うまくいったことだけでなく、遠回りしたことも含めてお伝えします。

チェックポイント① まず「地方の求人市場の現実」を把握する

正直に言うと、移住前に想像していたよりも、地方の求人数は少ないです。とくに山間部のエリアだと、都市部のように「同職種で複数社を比較して選ぶ」という状況にはなりにくい。これは移住後に実感したことでした。

ただ、求人が少ないことと、仕事がないことは別の話です。地域によっては、慢性的に人手不足で「求人を出していないけれど人を探している」という職場も少なくありません。ハローワークや求人サイトだけを見ていると、そういった案件には出会えないこともあります。

まずは「見えている求人」だけで判断せず、地域の実情を知るところから始めることをおすすめします。移住前に地域おこし協力隊の窓口や、移住支援センターに相談するのは、情報収集の手段として思った以上に役立ちました。

チェックポイント② 「SEのスキル」を地方向けに言語化し直す

IT系のスキルは地方でも需要があります。ただ、「SEです」とそのまま伝えても、なかなかピンと来てもらえないことがあるのも事実です。とくに中小企業や地場産業では、「SE」という言葉自体に馴染みが薄い場合もあります。

私が意識したのは、スキルを「具体的な課題解決の言葉」に置き換えることでした。たとえば「業務システムの開発・運用ができる」よりも、「Excelで手作業になっている集計を自動化したり、社内の情報管理をデジタルで整理するお手伝いができる」というように。

IT化が遅れている地方の中小企業や農業・林業関係の事業者には、こうした「身近な課題をITで解決してくれる人」へのニーズが確実にあります。自分のスキルを「相手の言葉」で伝え直すことが、地方での仕事探しでは特に大切だと感じています。

チェックポイント③ 「地縁・人縁」を積極的に使う

私の場合はUターンだったので、地元のつながりが多少ありました。その中で一番効いたのが、親や親戚を通じた紹介です。「息子が帰ってきて仕事を探している」という話が、思いがけない形でつながることがありました。

地方の求人は、公募よりも「人づてに話が来る」ケースが都市部に比べて多いように感じます。これは新規移住の方には最初はハードルに見えるかもしれませんが、自治会の行事に参加したり、地域のイベントに顔を出したりしているうちに、少しずつ顔見知りが増えていきます。

焦らず地域に溶け込んでいくプロセス自体が、仕事のご縁を広げることにつながっていくと思います。すぐに結果が出るわけではないのが正直なところですが、地道な積み重ねが後から効いてくる感覚がありました。

チェックポイント④ 「副業・フリーランス」という選択肢も視野に入れる

移住直後にすぐ安定した正規雇用が見つかるとは限りません。私が実際に経験したわけではないのですが、周囲の移住者を見ていると、最初は複数の仕事を掛け持ちしながら生活を安定させていくケースが多かったです。

SEのスキルがあれば、リモートで受けられるフリーランスの案件と、地域の仕事を組み合わせるという選択肢もあります。地方移住と同時期から、リモートワークやクラウドソーシングの環境が整ってきたことも、この選択肢を現実的にしている一因だと思います。

「一つの職場に絞らなくてもいい」という発想を持っておくだけで、仕事探しの視野が少し広がります。もちろん安定を求めるなら正規雇用が安心ですが、最初の一歩として「まず収入の柱を一本つくる」という考え方も、選択肢の一つとして持っておく価値はあると思っています。

チェックポイント⑤ 「移住前」に動き始めることの大切さ

これは私が少し後悔しているポイントでもあります。移住の準備を住まいや生活のことに集中させすぎて、仕事の準備が後回しになってしまいました。移住してから仕事を探し始めると、どうしても焦りが出てきます。その焦りが判断を狂わせることもある。

今から振り返ると、移住の半年〜1年前くらいから、移住先のハローワークや移住支援の窓口に連絡を取ったり、地域の求人情報をウォッチしたりしておけば良かったと思っています。最近は、オンラインで移住相談ができる自治体も増えています。移住を検討している段階から、仕事探しも並行して動き始めるのが理想的です。

まとめ

元SEとして地方で仕事を探した経験から言えることをまとめると、次のようになります。

  • 地方の求人は数が少ないが、見えていない需要もある
  • SEのスキルは「相手の言葉」に翻訳して伝えると響きやすい
  • 地縁・人縁は都市部よりも仕事につながりやすい
  • 副業・複業という選択肢も現実的な手段になりえる
  • 仕事探しは移住前から始めておくのがベター

地方移住と仕事の問題は、セットで考えると不安が大きくなりがちです。でも、一つひとつ情報を集めて動いていくと、少しずつ道筋が見えてきます。私自身、移住から10年近くが経ち、今は地元で新しい仕事に就きながら、この土地での暮らしを続けています。完璧にうまくいったわけではないけれど、動いてみて良かったと思っています。この記事が、地方での仕事探しを考えている誰かの参考に少しでもなれば嬉しいです。