元SEが地方転職を決めた本当の動機|あの頃を振り返って
「このまま同じ場所で、同じ仕事を続けていていいのだろうか」——そんな問いが頭から離れなくなったことはありませんか?特に40代に差し掛かる頃、ふとしたタイミングでそういう気持ちが浮かんでくる方は少なくないと思います。かといって「転職したい」という確信があるわけでもなく、ただなんとなくモヤモヤしている、という状態が続くのがつらいんですよね。この記事では、元SEとして働いていた私が地方転職を決めた当時の動機を、できるだけ正直に振り返ってみます。私自身、2015年(平成27年)に30歳で地元の山間部へUターン移住し、職場も変えるという選択をしました。今思えばその動機は「一つの明快な理由」ではなく、いくつかの気持ちが重なり合ったものでした。同じように迷っている方が、ご自身のケースを考えるときの参考になれば嬉しいです。
チェック①:「仕事がつらい」と「転職したい」は別の話だと気づいていたか
当時の私はSEとして、システム開発の現場で働いていました。仕事そのものが嫌いだったわけではありません。プログラムが思い通りに動いたときの達成感は今でも覚えていますし、チームで何かを作り上げる感覚も好きでした。ただ、「この環境をずっと続けたいか」と問われると、正直よくわからなかった。
締め切り前の長時間労働、常に新しい技術を追い続けるプレッシャー、画面の前で座り続ける毎日——そういった要素が積み重なって、じわじわと消耗していたのは確かです。でも、それが「転職の動機」になるかというと、少し違う気がしていました。「今の職場がつらいから逃げたい」という気持ちと、「自分の暮らしを変えたい」という気持ちは、似ているようで別物だと思うんです。私の場合は後者が少しずつ強くなっていった、という感覚に近かったです。
読者の方も、まず「今の状況から逃げたいのか、それとも別の何かに向かいたいのか」を一度整理してみると、自分の動機が少し見えやすくなるかもしれません。
チェック②:「結婚・家族」というライフイベントが、決断の後押しになっていないか
私がUターン移住を決めた直接のきっかけは、結婚でした。パートナーが地元出身の山間部の人で、「いずれは地元に戻りたい」という気持ちを持っていました。私自身も元々その地域の出身だったので、都会に出たまま一生そこで暮らすイメージが、実はあまり持てていなかった。
結婚というタイミングは、「そろそろ動くべきか」という気持ちを後押ししてくれました。ただ、これは「家族のために仕方なく」という話では必ずしもなくて、むしろ「このきっかけがなければずっと迷ったままだったかもしれない」という感覚が正直なところです。
人生の節目——転職でも、家族構成の変化でも、年齢の区切りでも——は、それ自体が「答え」ではないけれど、「考えるきっかけ」にはなります。今、何かライフイベントの前後にいる方は、そのタイミングを少し意識して自分の気持ちを見つめ直してみてもいいかもしれません。
チェック③:「地方で何をするか」より「どう暮らしたいか」を先に考えていたか
移住前、周囲からよく言われたのが「地方に行って何をするの?」という質問でした。SEの仕事をそのまま地方でやるのか、全く別の仕事に就くのか——確かに現実的な問いではあります。でも今振り返ると、私が一番考えていたのは「何をするか」よりも「どんな毎日を送りたいか」でした。
通勤に1時間以上かけない生活、自然の中で子どもを育てたいという漠然とした願望、人との距離感がほどよい場所で暮らしたい気持ち。具体的なキャリアプランというより、暮らしのイメージが先にあって、そこに合う仕事を探すという順番でした。
これが「正しい転職の考え方」とは言い切れません。もちろん収入の見通しや仕事の選択肢を先に考えるべきだという意見もあると思います。ただ、私の場合はこの順番だったというのが正直なところで、「暮らし方から逆算して仕事を考える」という視点が合う人もいるのではないかと感じています。
チェック④:「後悔しないか」ではなく「やらなかったら後悔するか」で考えていたか
移住を決めるとき、一番悩んだのは「失敗したらどうしよう」という不安でした。SEとしてのキャリアを捨てることへの怖さ、慣れた環境から離れることへの不安、収入が下がるかもしれないというリスク。どれも現実的な心配でした。
そのとき私の中で少し気持ちが楽になったのが、「後悔しないか?」という問いを「やらなかったら後悔するか?」に言い換えたことでした。前者の問いは不安を増幅させる方向に働きがちですが、後者は「自分が本当に望んでいるか」を確認する問いに近い気がして。
答えは「やらなかったら後悔しそう」でした。それが背中を押した、というのが正直なところです。ただ、これは誰にでも当てはまる考え方ではないと思いますし、「やってみたら想定外のことが起きる」のが移住や転職の現実でもあります。私自身、移住後に苦労したことは少なくありませんでした。それはまた別の機会に書けたらと思っています。
チェック⑤:「動機の純度」を高めようとしすぎていないか
転職や移住を考えていると、「こんな動機で動いていいのだろうか」と自分を疑いたくなることがあります。「逃げじゃないか」「家族のためだけじゃないか」「本当にやりたいことがあるわけじゃない」——そういった自己批判が、決断を遠ざけることがあります。
でも振り返ってみると、私の動機は「これ一つ」ではありませんでした。仕事への疲弊、結婚というタイミング、暮らしへの漠然とした憧れ、地元への愛着、子育て環境への期待——全部が混ざり合っていました。それで十分だったと今は思っています。
動機は「純粋でなければならない」わけではないと思うんです。複数の気持ちが重なって「やってみよう」と思えるなら、それが動機として十分機能するのではないでしょうか。
まとめ
元SEとして地方転職を決めた当時の動機を振り返ってみると、「これが理由だ」と一言で言えるものはありませんでした。仕事への疲れ、結婚というきっかけ、暮らしへのイメージ、後悔したくないという気持ち——それらが少しずつ積み重なって、ようやく動けた、というのが実態に近いです。
今、転職や移住を考えている40代の方の中には、「もっとはっきりした動機がないと動けない」と感じている方もいるかもしれません。でも、動機は最初からクリアである必要はないんじゃないかと、個人的には思っています。モヤモヤしながらでも、自分の気持ちを少しずつ言語化していくうちに、「自分にとって何が大事か」が見えてくることもあります。この記事が、そのための小さなヒントになれば幸いです。







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