地方移住の前に知っておいてほしい5つのこと

2023年8月8日

現地調査の際は春夏秋冬、それぞれ一泊ずつは滞在をしてみること

移住してきた方からよく耳にするのは、

「こんなに冬が寒いとは思わなかった」

「夏は涼しいって聞いてたけど、湿度が高くて不快」

「近所に空き家ばかりあって怖い」など、

どうして先に調べなかったのか?と思えるような不満です。

まず言いたいのは、「不動産屋の言うことを鵜呑みにするな」、ということ。

中には良心的な業者さんもいると思いますが、土地や家などを売買するために基本的にいいことしか言いません。

不動産屋さんだってそこに住んだことがあるわけじゃないので、想像やイメージで話す場合もあります。

やはり自分が住むところは自分の目で見て肌で感じて、実際に確かめないと後悔することになります。

また、できれば春夏秋冬でそれぞれ一泊から数日滞在してみることをおすすめします。

大体の人が観光シーズンだけ来て、「めっちゃいいところ!」と思って移住してしまいますが、

実際は過ごしやすいのは一瞬で、冬が長く厳しかったりすることもあります。

また、長く滞在する中で、近所の様子もわかりますし、買い物をする機会があれば不便かどうか、交通の便はどうかなどわかります。

できれば近所の人からもどういった土地柄かなど聞いてみるのもいいかもしれません。

とにかく、引っ越す前に一通りの生活サイクルを体験してみることで、移住した後の後悔は少なくなるはずです。

価値観を合わせるのはまずは移住者の方である、ということ

地方へ移住すると、「どうしてこんなやり方をしているんだろう」とか

「これは東京のやり方と違う。だから間違っている。」と思い、

藪蛇に自治会などで口を出し、「なんだこいつは。移住者のくせに。」と思われることがあります。

確かに、田舎の意思決定はなれ合いだったり、回覧板など紙の文化が多く残っており、非効率だと感じることもあるでしょう。

しかし、そういったこともすべてその土地の文化として、まずは受け入れて「尊重する」姿勢が大切です。

正直、田舎に住んでいる人は移住者が増えにぎやかになるのは歓迎していますが、

傲慢で「移住してきてやった」みたいな人はお呼びではありません

勝手に来たのは移住者の方であって、別に「性格が悪くてもいいから来てください!」とは言っていないのです。

あなたが移住先の人に求めるように、仲良くなれる人を望んでいます

だから、まずは移住者となるあなたが、その土地の文化や風土を愛し、地域の人を愛せるように努めてください。

そうすれば地元の人もあなたを受け入れ、良好な関係が築けるはずです。

ちなみに、移住者は移住者でコミュニティを作ろう、という動きも見られ、地元の人とうまくいかなかったらそういうコミュニティに属せばいい、という考えもありますが、あまりおすすめしません

近所の集会にも行かず、住民から疎まれるようになれば、孤立することになり、するとより卑屈になって…と悪循環にはまります。

まずは移住してきた自分がこの土地の風土と人を受け入れよう」という姿勢が重要です。

地方に住む人は都会を羨ましく思ってなんかいない、ということ

地方に移住してくる場合、ほとんどの方がもっと都会で、便利な場所から移住してくるでしょう。

するとどうしても、「田舎を良くしてやろう」

「前の場所ではこうだったから、田舎の人もそれを望んでいるはず」

「都会は便利で良かった」などと「上から目線」の言動をしてしまいがちです。

しかし、田舎の人は「さすが、やっぱり都会はいいねぇ」などと口では言っても、

「だったら引っ越しくて来るなよ」くらいに思っています。

都会のことを羨ましいなどとは思ってないのです。

田舎の人も都会が良ければ都会へ引っ越します。

単純な思い込みで、上から目線の言動をするのは迷惑なだけですので、これから移住する方は注意してください。

田舎に住むということは、田舎の未来を一緒に担うということ

田舎では生産年齢人口が足りなくなっています。

若い人だけでなく、歳をとってもまちづくりに参画するのが当たり前です。

田舎に住むというのは、その一角を担い、一緒にそのまちの未来を創っていくことでもあります。

その覚悟をしっかりと持って移住してほしいと思います。

中には「私はリタイアした身だから、誰ともかかわらずに静かに暮らしたい」という人もいるでしょう。

例えば、自治会にも入らず、地域の行事にも参加しない人などです。

私の経験上、そういう人ほどさみしがりで、結局誰かに持論を言って構ってほしくなります。

しかし、地元とも付き合いたくないので、ほかの同じ状況の移住者を見つけ、行政にクレーム言いがかりを言って暇をつぶしたり、自分の知りたい情報だけを頭に入れてどんどん「面倒な人」とのレッテルを貼られていくのです。

都会ではごみの排出など「サービス」としてお金で買えていたものも、田舎にはありません。

それらは住民同士の「共助」で成り立っている部分もあるのです。

それをわからずに、自治会にも入らず、「自分勝手に生きたい」なんて、迷惑以外の何物でもありません

そんな人に移住してきてほしいわけではないのです。

「家と家は離れているけど、人と人の距離が近い」それが田舎の良さであり醍醐味です。

自分も地方のミライを一緒に担っているんだという気持ちを持ち、地元住民にまずは自分から溶け込もうと努力することを忘れないでください。

不便さを面白がろう

最後に、当たり前ですが、田舎は不便です

バスの便も少ないので、車が必要だったり、買い物をする場所も決まったスーパーしかありません。

不便というのと同時に選択肢が少ないということでもあります。

でもその不便さを受け入れ、面白がり、楽しむ姿勢が大事です。

よく、行政に対して「バスの便を増やせ」「買い物できる場所を増やせ」と言っている人がいますが、

そういう人には行政だけでなく地元の人も「だったらもっと便利な場所に行けばいい」としか思っていません。

「不便さも田舎の良さ」として、受け入れる。

地元の人は、移住者が「この土地が好きだ!」と思ったその気持ちを、表には出さなくともずっと持ち続けています。

地域の批判をされることは、自分のことも批判されているようで、傷つく人も多くいます。

そういった地元を愛し続けてきた人の気持ちや存在に、移住者の人は思いをはせなければなりません。

そうすれば、地元の人もあなたを受け入れ、一緒に不便さを楽しめるようになるはずです。

まとめ

地方移住する人は年々増えていますが、反面、うまくいかずに再度都会に戻る人も増えています

どうせ移住するなら、自分だけでなく地方もハッピーになってほしい。

そういう気持ちをもって移住先を決めましょう。

どんな場所も「住めば都」です。最高の移住ライフを送りましょう。