Uターン就職で給料は下がる?都会との差をどう考えるか
「地元に帰りたいけど、給料が下がるのが不安で踏み出せない」——そう感じている方は、きっと少なくないと思います。特に40代で今の仕事やキャリアを積み上げてきた人ほど、収入の変化は切実な問題ですよね。この記事では、元SEとして都市部で働いた後、30歳で地元の山間部へUターン移住した私の実体験をもとに、給料の変化と生活コストの実態をできるだけ正直にお伝えします。「数字だけで損得を語れない」という感覚が、少しでも伝わればと思っています。転職やUターンを考えている方が、自分のケースに置き換えて考えるヒントになれば嬉しいです。
チェック①:Uターン就職で給料はどのくらい変わるのか、まず現実を知っておく
結論からいうと、私の場合は収入が下がりました。都市部でSEとして働いていたころと比べると、地元で新しい仕事に就いてからは、年収ベースでおよそ100〜150万円ほどの差が生じました。これは正直、想定よりも大きな変化でした。
一般的に、地方の求人は都市部に比べて給与水準が低い傾向にあります。厚生労働省の賃金構造基本統計調査などを見ても、都道府県別の平均賃金には明確な差があり、特に山間部や農村部に近いエリアでは、その傾向が顕著です。Uターン就職を検討するなら、この現実はまず直視しておくべきだと思います。
ただ、「給料が下がる=損」と単純に割り切れないのがUターンの難しいところで、同時に面白いところでもあります。
チェック②:給料の「額面」より「手元に残るお金」で比較する
移住前、私が見落としていたのが生活コストの差です。都市部で働いていたころは、家賃だけで月8〜9万円かかっていました。交通費、外食費、付き合いで使うお金……気づけばかなりの出費が積み重なっていたんですよね。
地元に戻ってからは、まず家賃が大幅に下がりました。持ち家になったこともあり、住居費の負担感はまったく変わりました。車は必須になりましたが、それでも都市部での生活費全体と比べると、月々の支出はトータルで減っています。
「年収が下がった」という事実は変わりませんが、手取りから支出を引いた「実質的に残るお金」で考えると、思ったほど大きな差ではありませんでした。Uターンを検討するときは、額面の比較だけでなく、生活コスト全体を試算してみることを強くおすすめします。
一つ注意点があります。私の場合一度帰ってきた際にアパートに住みましたが、田舎はアパートが少なく競争率が高くないため、アパート代が高い場合もあります。実際に移住する前に、相場観をチェックしておくのはポイントです。
チェック③:「キャリアの継続性」と「地方での選択肢」を現実的に確認する
もう一つ、移住前に真剣に考えておくべきだったと感じているのが、キャリアの継続性です。
私はSEとしてのスキルを持っていましたが、地元の山間部ではIT系の求人がほとんどなく、職種をそのまま引き継ぐことは難しい状況でした。リモートワークで以前の仕事を続ける選択肢も今ほど一般的ではなかった時代です。結果として、地元で新しい仕事に就くことを選びましたが、職種が変わるということは、積み上げてきた専門性や給与水準がリセットされる可能性があることを意味します。
ただ、近年はリモートワークや副業の普及により、都市部の仕事をしながら地方に住む選択肢が広がっています。都市部の給与水準を保ちつつUターンできるケースも増えているので、自分のスキルや業種がそれに向いているかどうかは、事前にしっかり調べてみる価値があります。
チェック④:「お金以外のコスト」と「お金以外の収穫」も計算に入れる
移住して10年近く経つ今、正直に思うことがあります。都市部で働いていたころは、通勤だけで毎日1時間半以上を消費していました。その時間を「コスト」と考えると、地方移住後に得た「時間の余裕」はかなり大きな恩恵だったと感じています。
子どもたちが自然の中で育つ環境、近所との人間関係、食費が浮く家庭菜園……数字には表れないけれど、生活の豊かさに直結しているものが確かにあります。一方で、車の維持費や医療機関へのアクセスの悪さ、娯楽の少なさなど、地方ならではの「見えないコスト」もゼロではありません。
移住を「トータルで判断する」には、お金だけでなく時間・環境・人間関係といった要素も天秤にかけることが大切だと、今は自信を持って言えます。
チェック⑤:移住前に「生活費シミュレーション」を必ずやっておく
実体験として、移住前のシミュレーションが甘かったことは反省点のひとつです。家賃が下がることは把握していましたが、車の維持費(保険・税金・燃料費)が2台分になること、灯油代などの光熱費が都市部より高くなることは、移住後に初めてリアルに感じました。
Uターンを考えている方には、以下のような項目をリストアップして、現地の相場を調べながらシミュレーションしてみることをおすすめします。
- 住居費(家賃 or ローン・固定資産税)
- 車の維持費(台数・保険・ガソリン代)
- 光熱費(特に冬の暖房費)
- 食費(自給・産直でどこまで抑えられるか)
- 医療・教育にかかるアクセスコスト
- 都市部との行き来にかかる交通費
地域によってこれらの金額は大きく異なります。「なんとなく安く住める」というイメージだけで動くと、後から想定外の出費に驚くことになりかねません。
まとめ
Uターン就職で給料が下がること自体は、多くのケースで現実として起こりえます。ただ、それが「損かどうか」は、生活コスト・時間・環境・キャリアの方向性まで含めて、自分のライフスタイル全体で考えないと判断できないと思っています。
私自身は、収入が下がったことを今も後悔していません。ただ、それは移住先の環境や家族との生活が自分には合っていたからであって、誰にでも同じ結論が出るわけではないとも感じています。
「給料の差」は確かに気になるポイントですが、そこだけに目を向けず、自分の優先順位をきちんと整理したうえで判断することが、後悔しない選択につながるのではないでしょうか。この記事が、あなたの考えを整理するための一助になれば嬉しいです。






ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません